歯っぴー社は熊本地震の経験から新しい事業価値を創造します.

1 .熊本地震から生まれた挑戦

 熊本県出身の代表小山昭則は,2016年4 月に発生した熊本地震の災害ボランティア活動に参加した.活動の一環で,被災

した高齢者の方々の歯磨きをする中で,初めて他人の歯を磨くことの難しさに気づくことができた.特に,高齢者は自分で口を開く力が衰えているため,無理やり口を開けようとすると,指を噛まれる痛い経験もした.この災害ボランティア活動をきっかけに,介護の世界では当たり前だった介護スタッフの“痛み”を解消し,自分がこれまで学んだ技術を応用することで口腔ケアにパラダイムを起こす.

 熊本地震から3 か月後,ボランティア活動も一段落したところで10年以上勤めた大手電機メーカーの退職を決意し,口腔ケアへのパラダイムへの挑戦という運命と向き合うことをミッションにしてます.

 

2 .ミッションは暗黙の口腔内を可視化する

 歯磨きが難しいのは,口腔内が見えず暗黙知の領域になっているからと言える.ヘルステックが進む中で,歯の健康が置き去りにされている.歯磨きの本来の目的である歯垢除去は疎かにすると,虫歯や歯周病だけでなく,糖尿病や精神疾患へと発展する可能性があるともされている.歯垢とは,歯の表面に付着するバイオフィルムで1g あたり1,000億個以上の細菌がつまっている.この歯垢は,奥歯や歯の裏側など肉眼では見えづらいところに蓄積しやすく,硬化して歯石となる.歯石になると通常の歯磨きでは取り除くことはできない.

 代表の小山昭則が開発した視覚機能を搭載した歯ブラシは,イメージセンサと光学フィルタを組み込んだシステムで,歯に励起波長の光を当てると歯垢に含まれる細菌の一部が赤く蛍光して識別を可能にする.歯を磨くユーザーは,このシステムと連動する携帯端末アプリケーションを通じて,口腔内撮像データをリアルタイムに観察しながら,確実な歯垢除去をサポートすることができる.

 

3 .目標は口腔内の健康度合を定量化する

 目指すところは,日常のセルフケアである歯磨きという狭い概念に留まらず,口腔ケアを行うことで全身の健康という価値を目指し,歯や歯茎だけでなく,舌などの状態を数値化し,日常行う歯磨きから日々の健康を管理する新しいシステムを創りあげていくことを目指す.

 現在の口腔は,歯科医師の経験に基づき,歯茎の色や形状から診断が行われている.その暗黙知である歯科医師の感覚を画像処理と機械学習などのテクノロジーで形式知に変え,ディープラーニングやデータアナリティクスによって将来予測を行うシステム開発を進めていく.

 

4 .人生100年時代を楽しむために

 日本は世界で最も高齢化が進み,他国が経験したことのない超高齢化社会をいち早く経験することになる.

我々が人生100年時代を楽しむためには,重篤な疾患と因果関係が高いとされる口腔ケアは欠かせない.一般社団法人日本訪問歯科学会によると,要介護者の74.2%は歯科治療が必要であるにも関わらず,治療を受けることができないとされている.自分だけでなく第三者の口腔を守るシステムの普及は,運命と考えこれからも口腔ケアにパラダイムを起こし,人生100年時代を生涯健康で過ごせる社会を実現する